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甲斐は時刻の経っているのに驚いた。ほんのちょっとまどろんだばかりと思ったのに、外はもう夜が明けていたのである。疲れているのだ、気力が衰えているのだ、そう思いながら、甲斐は両手で顔をこすった。喜兵衛はすぐに来た。旅装ではなく、常着つねぎに袴はかまをつけ、月代さかやきも髭ひげも剃そっていた。
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