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このころの思い出は一生忘れることは出来ないのだ。私には、商売は一寸も苦痛ではなかった。一軒一軒歩いて行くと、五銭、二銭、三銭と云う風に、私のこしらえた財布には金がたまって行く。そして私は、自分がどんなに商売上手であるかを母に賞めてもらうのが楽しみであった。私は二カ月もアンパンを売って母と暮した。或る日、街から帰ると、美しいヒワ色の兵児帯を母が縫っていた。
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