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抽斎の姉須磨すまが飯田良清いいだよしきよに嫁して生んだ女むすめ二人ふたりの中で、長女延のぶは小舟町こぶねちょうの新井屋半七あらいやはんしちが妻となって死に、次女路みちが残っていた。路は痘瘡とうそうのために貌かたちを傷やぶられていたのを、多分この年の頃であっただろう、三百石の旗本で戸田某という老人が後妻に迎えた。戸田氏は旗本中に頗すこぶる多いので、今考えることが出来にくい。良清の家は、須磨の生んだ長男直之助なおのすけが夭折した跡へ、孫三郎という養子が来て継いでから、もう久しうなっていた。飯田孫三郎は十年前ぜんの安政三年から、「武鑑」の徒目附かちめつけの部に載せられている。住所は初め湯島ゆしま天沢寺前てんたくじまえとしてあって、後には湯島天神裏門前としてある。保さんの記憶している家は麟祥院前りんしょういんまえの猿飴さるあめの横町であったそうである。孫三郎は維新後静岡県の官吏になって、良政よしまさと称し、後また東京に入いって、下谷したや車坂町くるまざかちょうで終ったそうである。
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「伯父さんにあげようと思ってぼくは……」日本よりは住み心地のいいところではないかしら……。夢にみるほど恋いこがれてみたところで仕方がない。猫が汽車に乗りたいと思うようなものだ。モニカは鼻を鳴らした。「なんて奇麗な名前なのかしら」とポーラが呟いた。マーサは警戒しながら頷いた。熟女ごっくんav「だれだっ、そこにいるのは?」と、危惧きぐされてならなかった。
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