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浅草はいつ来てもよいところだ……。テンポの早い灯の中をグルリ、グルリ、私は放浪のカチュウシャです。長いことクリームを塗らない顔は瀬戸物のように固くなって、安酒に酔った私は誰もおそろしいものがない。ああ一人の酔いどれ女でございます。酒に酔えば泣きじょうこ、痺しびれて手も足もばらばらになってしまいそうなこの気持ちのすさまじさ……酒でも呑まなければあんまり世間は馬鹿らしくて、まともな顔をしては通れない。あの人が外に女が出来たと云って、それがいったい何でしょう。真実ほんとうは悲しいのだけれど、酒は広い世間を知らんと云う。町の灯がふっと切れて暗くなると、活動小屋の壁に歪ゆがんだ顔をくっつけて、荒さんだ顔を見ていると、あああすから私は勉強をしようと思う。夢の中からでも聞えて来るような小屋の中の楽隊。あんまり自分が若すぎて、私はなぜかやけくそにあいそがつきて腹をたててしまうのだ。
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