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矢川には本末ほんばつ両家がある。本家は長足流ちょうそくりゅうの馬術を伝えていて、世文内よよぶんないと称した。先代文内の嫡男与四郎よしろうは、当時順承ゆきつぐの側用人になって、父の称を襲ついでいた。妻児玉こだま氏は越前国敦賀つるがの城主酒井さかい右京亮うきょうのすけ忠※(「田+比」、第3水準1-86-44)ただやすの家来某の女むすめであった。二百石八人扶持の家である。与四郎の文内に弟があり、妹があって、彼を宗兵衛そうべえといい、此これを岡野おかのといった。宗兵衛は分家して、近習小姓倉田小十郎こじゅうろうの女むすめみつを娶めとった。岡野は順承附の中臈ちゅうろうになった。実は妾しょうである。
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