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石川貞白は初はじめの名を磯野勝五郎いそのかつごろうといった。何時いつの事であったか、阿部家の武具係を勤めていた勝五郎の父は、同僚が主家しゅうけの具足を質に入れたために、永ながの暇いとまになった。その時勝五郎は兼て医術を伊沢榛軒いさわしんけんに学んでいたので、直すぐに氏名を改めて剃髪ていはつし、医業を以て身を立てた。
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