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山嵐もおれに劣おとらぬ肝癪持かんしゃくもちだから、負け嫌ぎらいな大きな声を出す。控所に居た連中は何事が始まったかと思って、みんな、おれと山嵐の方を見て、顋あごを長くしてぼんやりしている。おれは、別に恥はずかしい事をした覚えはないんだから、立ち上がりながら、部屋中一通り見巡みまわしてやった。みんなが驚おどろいてるなかに野だだけは面白そうに笑っていた。おれの大きな眼めが、貴様も喧嘩をするつもりかと云う権幕で、野だの干瓢かんぴょうづらを射貫いぬいた時に、野だは突然とつぜん真面目な顔をして、大いにつつしんだ。少し怖こわかったと見える。そのうち喇叭が鳴る。山嵐もおれも喧嘩を中止して教場へ出た。
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