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この年に躋寿館せいじゅかんで書を講じて、陪臣町医まちいに来聴せしむる例が開かれた。それが十月で、翌十一月に始て新あらたに講師が任用せられた。初はじめ館には都講とこう、教授があって、生徒に授業していたに過ぎない。一時多紀藍渓たきらんけい時代に百日課ひゃくにちかの制を布しいて、医学も経学けいがくも科を分って、百日を限って講じたことがある。今いうクルズスである。しかしそれも生徒に聴きかせたのである。百日課は四年間で罷やんだ。講師を置いて、陪臣町医の来聴を許すことになったのは、この時が始である。五カ月の後、幕府が抽斎を起たたしむることとなったのは、この制度あるがためである。
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